スレッド:怪と幽
怪と幽 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/27(Sat) 16:06:00 No.5450
『怪と幽vol.021』(角川書店)

特集1『この世界にはムーミンがいる』
特集2『澤村伊智十周年』
巻頭グラビア/記事 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/27(Sat) 19:50:00 No.5451
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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令和画図百鬼 夜叉蛇                         孳々

芳賀日出夫の写真家人生 望郷編                    芳賀日出夫=写真 芳賀日向=文

異境日本 護鬼佛理天像                        佐藤健寿

トーベのムーミンアート

怪食巡礼 越後浦佐猫瓦煎餅 河田屋土産店(新潟県南魚沼市)      村上健司
小説 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/27(Sat) 20:27:00 No.5452
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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ざんどぅまの影                            澤村伊智

営繕かるかや怪異譚 死者の貌                     小野不由美

お借りいたします 腋窩                        小川洋子

青軸卿                                山白朝子
漫画 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/27(Sat) 20:33:00 No.5453
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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槐と優                                諸星大二郎

魔美華ちゃんが来る! 座敷童の物件査定                高橋葉介

おののけ!くわいだん部                        押切蓮介
エッセイ/論考 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 12:47:00 No.5454
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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それいけ!妖怪旅おやじ                        村上健司×多田克己

文豪と旅をする                            東 雅夫
それいけ!妖怪旅おやじ 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/08(Thu) 20:15:00 No.5500
> それいけ!妖怪旅おやじ                        村上健司×多田克己
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佐渡の貉と妖怪を訪ねる

・佐渡の貉の今を見てみたい
・団三郎貉と佐渡の貉
・旧家の守り神だった重屋の源助
・神通力健在の貉神
文豪と旅をする 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/09(Fri) 19:30:00 No.5501
> 文豪と旅をする                            東 雅夫

与謝野晶子と番神堂(新潟県)

与謝野晶子の歌碑を訪ねる。
東氏は「幽」第十六号(二〇一一年十二月)の特集「震えて眠れ、子どもたち」で当地を訪ねている、この時は小川未明の「赤い蝋燭と人魚」の取材。
佐藤春夫は一九四九年一月「改造文藝」第三号に短編小説「永く相おもふ——或は「ゆめみるひと」」を発表している、佐藤春夫は戦後、新潟の高田に疎開していた堀口大学を訪ねる。その夜、春夫は便所の前で与謝野晶子の霊に会う。
研究会レポート最前線 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 12:53:00 No.5455
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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国際日本文化研究センター                       安井眞奈美

東アジア恠異学会                           佐々木 聡

異類の会                               妖怪@老中

怪異怪談研究会                            加瀬桃子

怪談文芸研究会                            堤 邦彦
国際日本文化研究センター  投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/30(Tue) 16:14:00 No.5466
> 国際日本文化研究センター                       安井眞奈美
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妖怪研究、ブラジルへの旅

日文研妖怪プロジェクト室では、二〇二五年三月に『グローバル時代を生きる妖怪』(せりか書房)を上梓した。その成果をもとに、海外の研究機関や大学と交流を続けている。
八月一三、一四日にブラジル・サンパウロにてシンポジウム「広島八〇年——悲劇から創造へ植物、菌類、亡霊そして動物が教える、大惨事の後の世界と身体の創造」が開催され、日本の妖怪や霊的な存在について発表する機会を得た。研究だけでなくさまざまなメディアを通してメッセージを発信する、一般市民にも開かれたシンポジウムで、市民が運営するSESCセンターで開催された。
初日午前中は、広島にて被爆者の語りを長年にわたり聞き取ってこられたポール・スコット関西外国語大学名誉教授の情熱的な講演とブラジルの「ヒバクシャ」の語りを映像にまとめたドキュメンタリー作家のマウリシオ・キノシタ氏の作品上映。そして二人の対談に続き、会場から大きな拍手が起こった。
Re: 国際日本文化研究センター  投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/30(Tue) 17:20:00 No.5467
> 妖怪研究、ブラジルへの旅
>
午後は、多様な種との共存を目指すマルチ・スピーシーズ人類学の視点を意識したセッションで、そこに霊的なものや妖怪も含まれていた。私は、日本の怪異・妖怪譚の中に出てくるカッパや、狐、狸、蛇など動物に関連したものを中心に紹介し、人間との関係性について発表した。
ジェンダー研究、障害者研究、環境問題などに総合的に取り組むメル・Y・チェン教授(カリフォルニア大学バークレイ校)が、自然の中で身体を介してさまざまな方法で表現する、自身の研究活動について話をした。チェン教授は『アニマシー(生命性)——生政治——、人種的物質性、クィアな情動』(デューク大学出版局 二〇一二)など、生命性の階層(人間—動物・植物—無生物)が、いかに人種差別や障害者差別と結びついるかを理論的に示してきた。
その後、三人の鼎談で、主催者のクリスティン・グレイナー教授(教皇庁立サンパウロカトリック大学)は霊的なものを感じたり、妖怪を創造したりすることは、感覚を研ぎ澄まして「自然」を感じることとつながっている、と発言した。彼女は、妖怪を恐れたり、時に畏敬の念を感じたり、妖怪と共存してきた人々に、未来を創るヒントがあると直感したようだ。発表は英語とポルトガル語で行われ、同時通訳がついた。私が会場に持参した妖怪絵巻のレプリカ(『化物尽絵巻』、『道成寺縁起絵巻』)を展示すると、参加者の皆さんは熱心に見入っていた。
Re^2: 国際日本文化研究センター  投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/31(Wed) 13:31:00 No.5468
> > 妖怪研究、ブラジルへの旅
> >
二日目はゾイ・アナスタサキス教授(リオデジャネイロ大学)が、キャンパス内で倒れていた大木を、大学の予算がないため、教授や学生、院生などがスコップを持って植え替え、それが高じてキャンパス創りに精を出す様子などを報告した。大学の歴史と景観を映像とともに振り返り、キャンパスに緑が戻る様子が明らかとなった。
主催者の研究グループは、シンポジウムの直前にアマゾンの熱帯雨林地域で薬草に関するフィールドワークを行うなど、「環境保全」の場に身を置きながら研究を進めていた。
グレイナー教授からは。次回はサンパウロではなくアマゾンで待っている、と念を押された。
Re^3: 国際日本文化研究センター  投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/31(Wed) 13:52:00 No.5469
> > > 妖怪研究、ブラジルへの旅
> > >
九月二〇日は、韓国光州の全南大学校にて開催された妖怪絵本のシンポジウムに登壇。松村薫子准教授(大阪大学)が中心となって、近年研究を続けてこられた成果研究を続けてこられた成果発表の場で、日中韓の妖怪絵本について興味深い研究結果が披露された。来年の出版が大いに待たれる。
Re^4: 国際日本文化研究センター  投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/31(Wed) 14:03:00 No.5470
> > > > 妖怪研究、ブラジルへの旅
> > > >
一〇月二三日は、日文研とインドネシア大学の共催によるシンポジウム「東南アジアと日本——両地域の文化交流を再考する」が、インドネシア大学人文科学部の大講堂で行われた。これは日本語での開催で、東南アジア各地の発表者は、流暢な日本語で発表した。
私は、出産で亡くなった妖怪ウブメを取り上げ、インドネシアの産死者の妖怪「ポンティアナク」にも触れ、ジェンダー研究の視点を取り入れた妖怪の比較研究について論じた。
発表後に、インドネシア大学のスタッフや学生、院生、またシンガポールやマレーシア、タイの研究者が次々と妖怪について語ってくれた。妖怪の調査をする際には、信仰上のタブーや霊の出現など、気を付ける点にも教えてくれた。
Re^5: 国際日本文化研究センター  投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/31(Wed) 15:26:00 No.5471
> > > > > 妖怪研究、ブラジルへの旅
> > > > >
一一月一日、恒例の日中妖怪シンポジウムの開催となった。二〇一九年からほぼ毎年、日文研と中国の清華大学が中心となり、対面式とオンラインの併用でシンポジウムを続けてきた。六回目を数える今回は対面のみとし、木場貴俊准教授(京都先端ても科学大学)が登壇した。日中の妖怪に加えて、韓国とベトナムの妖怪についての発表もあり、東アジアから東南アジアへと領域を広げて議論を行うことができた。
日本語での発表に中国語で逐語訳がつき、専門用語や難解な名称があっても、議論はスムーズに進んだ。
東アジア恠異学会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/01(Thu) 16:41:00 No.5474
> 東アジア恠異学会                           佐々木 聡
>
怪異学からみた怨霊・毒鳥・神獣

二〇二五年九月一五日、第一五四回定例研究会が対面・オンラインで開催。
波多野護氏(龍谷大学大学院)「摂関期の怨霊:古記録の記述を中心に」
斎藤賢氏(東京大学特任研究員)・福田将矢氏(京都大学リサーチ・アドミニストレーター)・山口優輔氏(京都大学大学院)「鴆像の変遷に関する考察」

波多野氏の報告では、古代では政争に敗れた者の怨霊の鎮魂儀礼が行われたが、菅原道真から崇徳院に至る時期は大規模な怨霊鎮魂が殆ど見られないことを踏まえ、摂関期を中心に『小右記』『御堂関白記』などの古記録を検討し、当該時期における怨霊観念の変化を明らかにした。
質疑応答では、怨霊研究の専門家である山田雄二氏(三重大学教授)から怨霊をどのように定義するのかについて指摘があるなど、有意義な意見が交わされた。
斎藤氏らによる報告では、羽に猛毒を持つことで中国の毒薬の代名詞となった「鴆」鳥の伝承について、実在する毒鳥(ズグロモリモズなどのピトフーイ属)の知見を踏まえ検証を行った。諸文献に見える鴆に対するイメージの差異から鴆像の時代的変遷を検討し、同時に実在のピトフーイ属の特徴と照らし合わせることで、どのように「鴆」鳥が伝説化していったのかを明らかにした。
本報告では、博物誌的史料の記述が、生物学的見解により相対化され、分析がより深化した点が印象深く、文化史研究の新たな展開も期待される成果であった。
Re: 東アジア恠異学会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/02(Fri) 11:44:00 No.5476
> > 東アジア恠異学会                           佐々木 聡
> >
> 怪異学からみた怨霊・毒鳥・神獣
>
この夏、本学会では兵庫県川西市生涯学習課の依頼を受け、同市生涯学習アカデミーにて「『怪異から『妖怪』へ:怪異学入門」を開催した。
二〇二四年末に出版した東アジア恠異学会編『怪異から妖怪へ』を参考書に、同書の執筆陣が八回にわたり講義を行った。各講義では、国家に管理された「怪異」情報が社会に需要され、多様な「妖怪」キャラクターが生み出されたことを、鬼や天狗、河童などを例に解説した。
Re^2: 東アジア恠異学会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/02(Fri) 13:12:00 No.5477
> > 怪異学からみた怨霊・毒鳥・神獣
> >
朝日カルチャーセンター・中之島教室にて、東アジア恠異学会協力講座「怪異学」入門が始まった。
一〇月二六日、大江篤氏(園田学園大学教授)「柳田國男生誕一五〇年:柳田國男と怪異学」
一一月二三日、久禮旦雄氏(京都産業大学教授)「耳なし芳一と一つ目小僧:小泉八雲と柳田国男」
一二月一四日、久留島元氏(大谷大学助教)「小泉八雲『怪談』の原点を探る」
Re^3: 東アジア恠異学会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/02(Fri) 13:20:00 No.5478
> > > 怪異学からみた怨霊・毒鳥・神獣
> > >
一一月三〇日、第一五五回の定例研究会
大江篤氏「柳田國男の「祟り」研究:『郷土生活研究採集手帖』にみる怪異」
峰守ひろかず氏(小説家)「創作における柳田國男の活用と受容」
の二報告を予定している。
Re^4: 東アジア恠異学会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/02(Fri) 14:03:00 No.5479
> > > > 怪異学からみた怨霊・毒鳥・神獣
> > > >
二〇二五年八月九日、「妖怪シンポジウム かみの妖怪 きの妖怪」福島県伊達郡川俣町で開催

同町は、神獣白沢の木彫で話題になった。春日神社の拝殿(一七四〇年竣工)には、柱から突き出た「木鼻」として二体の白沢が設られている。
一方が口を開き、他方が口を閉じた、所謂「阿吽」形式の白沢について筆者が知ったのは、二〇二三年夏、同町生涯学習課歴史・文化係の吉田秀享氏よりお手紙を頂いたことによる。同封された写真を拝見した筆者は、類例のない白沢に驚きながら、すぐに吉田氏と連絡を取り、調査を行った。
二〇二四年には、同町文化財講座にて「日本の白沢文物とその用途・機能」と題した講演を行い、川俣町合併記念70周年の二〇二五年、記念事業として盛大なシンポジウムを開催する運びとなった。メインテーマはもちろん「白沢」である。
Re^5: 東アジア恠異学会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/02(Fri) 15:00:00 No.5480
> > > > > 怪異学からみた怨霊・毒鳥・神獣
> > > > >
シンポジウムでは、吉田氏・筆者に加え、毎日新聞福島支局の岩間理紀氏、峰守ひろかず氏に登壇頂いた。
吉田氏は、白沢をはじめ、獅子・獏・龍・鳳凰・鶴・亀・瑞雲など九十五もの建築彫刻を有する春日神社拝殿を「祥瑞のコンコース(広場)」として紹介し、建立の時代背景を考察した。
岩間氏は、春日神社の白沢「再発見」以降、福島でつぎつぎ見つかった白沢彫刻を丹念に取材し、県外の事例と合わせてその特異性を論じた。
峰守氏は、創作の世界で白沢が持つキャラクター表象について論じ、自作における白沢モチーフの活用事例を紹介した。
筆者は、全体テーマの「妖怪」について、古代から現代までの語義・概念の変遷を開設し、「妖怪」「怪異」の学術研究を進めてきた「妖怪学」と「怪異学」の取り組みを紹介した。会場では、筆者らが所蔵する白沢図等を展示し、来場者に自由に見学して頂いた。
翌日には、白沢の木彫のある寺社の見学会が開催された。同町の春日神社、東福沢薬師堂、福島市の水雲神社をバスでめぐった。
異類の会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/03(Sat) 16:37:00 No.5481
> 異類の会                               妖怪@老中
>
文芸の中に現れた異類たち

〈第一五六回〉益田こころ氏「鯰絵も繁殖する——地震錦絵の表現形式——」六月二九日

鯰絵とは主に安政大地震の後に多く出版された、鯰と地震が主題の絵図のこと。
益田氏の発表では、図像や詞書の形式で分類。

①退治型は要石で鯰を押さえつける鹿島明神などの地震伝説を図像化した絵で、退治者や武器を変えて図像を変化させていることを指摘。退治者によって地震鎮静や鬱憤晴らしなど異なる目的が込められており地震の直接の被害者層が買っていたと考察。

②護符型とは鯰が地震を起こしたことを謝罪する形式の絵を分類。地震除けのまじないが記載されたり詞書が疫神の詫び証文などと似ていることから、地震除けの護符として制作・受容された可能性を指摘。

③祈願型は鯰退治をする神仏や鯰そのもの、要石などに人間が願掛けしている絵。人間が神仏を拝む構図は、於竹大日如来などの流行神を描いた刷り物の構図と同一。

④風刺型は主に復興工事で儲けた職人や財産を失くした金持ちなどを風刺する絵が多く。詞書が少ないことから広い層に読まれたと考察。また落書との共通点から、落書のような文字媒体や噂を図像化する形で現れた形式ではないかと推測。

⑤模倣型は既存の形式をもつ文章をなぞったもの。詞書がメインで図像は挿絵として使われてpり、こういった言語遊戯を楽しめる中間層が受容したと推測。
Re: 異類の会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/04(Sun) 16:26:00 No.5484
〈第一五七回〉羽島佑涼氏「牛天神貧乏神祭祀伝承に関する再攷」七月二七日

根岸鎮衛の『耳袋』には江戸の牛天神(現北野神社)の境内に貧乏神を祀る社があるとする話が載っています。この貧乏神の社について文献資料をもとに来歴などを確認したのが羽島氏の発表です。
『江戸名所図会』などでの牛天神の項目に貧乏神に関する記述がないことを確認。同じ牛天神の貧乏神を紹介する曲亭馬琴らが編纂した『兎園小説』の記事の出典が狂歌師が書いた『四方のあか』という文献であること、名所図などに記述がないことなどから、本当に貧乏神の社と思われるものとして牛天神の黒暗天石祠(黒暗天は仏教において災厄をもたらす天女、黒闇天のこと)があるものの、文献で確認できるのが『耳袋』と『兎園小説』以降である点、当該話での貧乏神の描写と黒暗石祠の黒暗天の画像が食い違う点から貧乏神=黒暗天とは考え難いと考察。牛天神を管理していた泉松山龍門寺が黒暗天の護符を頒布していたことなどから、牛天神の貧乏神祭祀伝承には何らかの形で龍門寺が関与していたと指摘。
現在の牛天神は、明治の神仏分離で龍門寺が廃退し、祭神も天鈿女命などに変更され、芸能関係の信仰に変化。牛天神の貧乏神の伝承は民間にのこるばかりとに「こと。
Re^2: 異類の会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/05(Mon) 15:43:00 No.5485
〈第一五八回〉伊藤慎吾氏「『日本擬人名辞典 お伽草子編』を作ってみたい」八月三一日

擬人名とは事物や行為などを指す言葉として慣用的に使われる人名風の名詞。
伊藤氏によると、お伽草子には個体名を持つ擬人化キャラクターが多く存在するにもかかわらず。擬人名の辞典である宮武外骨編の『日本擬人名辞書』や鈴木棠三編の『通名・擬人名辞典』ではそれらを収録していないとのこと。
この回はそういったお伽草子の中の擬人名を整理して一般の利用にも耐えうる辞典にするにはどうすればいいかについての談話です。
前半では伊藤氏による項目の構成やキャラクターを素材ごとにカテゴライズして紹介するなどの案が示され、収録予定キャラクターの一覧の一部が公開されました。後半では一覧にないキャラクターや資料について参加者から情報提供があったほか、複数のカテゴリーに属するキャラクターや、出典となる本は違うが作品の内容もキャラクター名もほぼ同じキャラクターはどう立項するなどについても話し合われた。
怪異怪談研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/05(Mon) 16:12:00 No.5486
> 怪異怪談研究会                            加瀬桃子
>
『岡本綺堂日記』昭和6・7年 公開シンポジウム』

怪異怪談研究会では様々なプロジェクトが進行中であり、その一つである「岡本綺堂旧蔵資料に関する基礎的研究」(主催:早稲田大学演劇博物館演劇映像学連携研究拠点 協力:怪異怪談研究会)によって、これまで未翻刻だった昭和六〜七年の岡本綺堂の日記が新たに翻刻される運びとなりました。
二〇二五年八月二三日に開催された今回のシンポジウムはその記念であり、四名の研究報告と三名のゲストによる鼎談が企画されました。翌日の例会とも連携し、これまた綺堂にまつわる研究発表が加わり、まさに岡本綺堂尽くしの二日間となりました。
『半七捕物帳』で知られる綺堂は、探偵小説や怪談、幻想小説、さらには歌舞伎脚本まで幅広く手掛けた作家です。日記も毎日欠かさず書き続け、日常の営みが淡々と記録されています。記録された来客の多さや交わされたやり取りから、綺堂の人望の厚さを垣間見れます。
Re: 怪異怪談研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/06(Tue) 11:29:00 No.5488
> 『岡本綺堂日記』昭和6・7年 公開シンポジウム』
>
一日目のシンポジウムは、翻刻に携わったプロジェクトメンバーの研究報告から始まりました。
昭和六〜七年は綺堂の文筆活動の晩年期になる。世田谷b文学館の原辰吉氏は、この時期に編まれた句集『独吟』に見られる敗残者としての意識、震災や父親の記憶、生活に対するまなざしが、日記にも反映されていると述べ、綺堂の俳句観を知る手がかりとして日記研究の可能性を提示した。
東北大学の赤井紀美氏は、綺堂の指導者としての一面にスポットを当てる。綺堂は、女性を含む多くの弟子を抱え、後進の劇作家の育成に貢献した。綺堂の尽力は原稿添削や語彙・文法・台詞技法の指導に終わらない。弟子を消費的なシステムに委ねず、長く活躍できるように生活面の支援、懸賞脚本の企画協力など活躍の場作りにまで至る。その只中に日記は、弟子たちとの交流の記録と言い換えられるかもしれない。
大谷大学の松田祥平氏はジャンル史の観点から綺堂の位置を新たにとらえる。『半七捕物帳』の登場によって捕物帳ジャンルは再編し、以降は綺堂作品を超克できるか否かが問われる挑戦の時代へ変遷していく。さらに、捕物帳が探偵小説作家によってミステリの姉妹、郷愁の文学として傍流に位置付けられる一方、江戸川乱歩等が目指した「本格」物の形を取っていたという、日本ミステリ史上のねじれを指摘した。
鹿児島大学の鈴木優作氏は、日記の空間から展示、作品の中に表れる綺堂の実生活へのまなざしに目を向ける。「西郷星」は西南戦争そのものよりも、西郷隆盛の死を通した民衆の熱狂や悲しみ、戦争が与えた生活の変化を描いている。鈴木氏は、この綺堂のまなざしを大文学の歴史を相対化し、「生活レベルでの戦争・戦争報道受容の多様性を表現」するものとして意義づける。
Re^2: 怪異怪談研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/06(Tue) 16:39:00 No.5489
> > 『岡本綺堂日記』昭和6・7年 公開シンポジウム』
> >
会の後半は、東雅夫氏(文芸評論家)、横山泰子(法政大学)、小松史生子氏(早稲田大学)による鼎談が行われた。
続く質疑応答では、綺堂と泉鏡花の対比が注目された。会場の京極夏彦氏からは、作家、日本推理作家協会元代表理事の位置から見える、綺堂と乱歩の比較、日記という媒体の持つ力について、貴重なご意見を頂いた。さらには日記、随筆、実録物の怪談、これらの文体や内容の差異の比較から、綺堂の日記に潜む戦略の可能性も示唆されるなど、実り多いシンポジウムとなった。
Re^3: 怪異怪談研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/06(Tue) 20:34:00 No.5490
> > > 『岡本綺堂日記』昭和6・7年 公開シンポジウム』
> > >
二日目は作品研究に焦点が移る。
中央大学大学院生の阿部奈々香氏は「西瓜」という作品が、読者に探偵小説的な読みを誘う「文學時代」の中に置かれることにより、むしろ探偵しきれない非合理性が生じ、そこに怪談としての「凄味」が浮かび上がることを提示した。また綺堂が媒体空間の特性が作品形成に作用すると意識していた可能性にも言及した。
学習院高等科教員の脇坂健介氏は、「白髪鬼」「鰻に呪われた男」と、久生十蘭「黄泉から」とが、生と死、今と昔、戦前と戦後といった生者による恣意的な「継ぎ目」を見つめる物語であることを指摘し、「怪談」という手法がその「継ぎ目」を問い直し、再考させるものであることを論じた。
「怪談」という手法が詳らかにする「闇」に関連して、加藤慶介氏は夢野久作『少女地獄』に着目し、怪異とは異なる領域にあったはずの家庭・少女に「非合理的でグロテスクな怪異的側面」が表されたことを読み取っている。
怪談文芸研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/07(Wed) 15:18:00 No.5491
怪談文芸研究会                            堤 邦彦

四谷怪談の二百年

日本の怪談、とりわけ江戸の四大怪談のなかで最も数多く取り上げられ、また芝居や絵画
、映画の銀幕を賑わせたのは、何といっても『東海道四谷怪談』であろう。四世鶴屋南北により本作品が初演されたのは文政八年(一八二五)七月、今から二百年前であった。
そこで怪談文芸研究会では、〈四谷怪談の二百年〉を振り返りながら、二〇二五年七月二十六日「幽霊の日」(初演幕開けの日にちなむ)に記念シンポジウムを開催すべく、二〇二四年より準備を進めてきた。
歌舞伎作品そのものには、すでに各方面からの考究があり、優れた研究書がある。ただ、作品論に軸足を置く従来の研究とは別に、文政八年から二百年の間に四谷怪談の周辺で何が起きたかという命題に関しては、いまだ解明しきれない問題をはらむ。
Re: 怪談文芸研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/07(Wed) 16:09:00 No.5492
> 四谷怪談の二百年
>
例えば、架空のキャラクターであるはずのお岩が現実に祟りを為すといった近現代の心意伝承とは何であったのか。
京都市東山の六道の辻に程近い珍皇寺には、「お岩大明神」の小祠がいまも鎮座する。清水焼の等身大お岩像を造らせた資産家の身に不幸が起こり、恐れおののいて珍皇寺に納めたのだという。話の背景には、小野篁の地獄往還伝説やお盆の六道参りを通じて京都市民の心に根付いた「あの世との交流」を自明のこととする習俗が影響しており、それゆえに珍皇寺をしてお岩鎮魂の適地と考える発想に繋がったのであろう。
Re^2: 怪談文芸研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/07(Wed) 16:25:00 No.5493
> > 四谷怪談の二百年
> >
作品の外側に点在する様々な事柄に目を配りながら〈四谷怪談の二百年〉をたどる——。そのような全貌の解明を到達目標として、七月二十六日京都市立芸術大学を会場に、「蘇る‼四谷怪談へのまなざし——幽霊の芸能史とは何か?——」と題するシンポジウムが開催された。
講師に荒俣宏さんをお迎えし、怪談文芸研究会の堤邦彦との対談を中心に、司会の鈴木堅弘さん(怪談文芸研究会)を交えて様々な方向から実験的なものの見方を提示し、盛会のうちに二百年の怪談史を振り返ることが出来た。
Re^3: 怪談文芸研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/07(Wed) 18:14:00 No.5494
> > > 四谷怪談の二百年
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お岩の原像を『古事記』のイワナガヒメに求める荒俣さんの〈妬婦論〉は、四谷怪談という一個の作品にとどまることのない祟る女霊の神話体系をあばき出す構想であり、お岩を畏怖せざるを得ない日本人の心理構造の淵源にせまるものであった。
これをマクロの視点と言うならば、作品内部の怖さの発露という点では、按摩「宅悦」の意味も大いに話題となった。胡散な按摩坊主の立ち位置が、お岩の哀れにして凄惨な変身を一層不気味な変態にしていく効果を発揮する。盲人殺しの因果世界へと螺旋状に堕ちていく暗部が、四谷怪談に凝縮されているといってよいかも知れない。
水辺と怪談のテーマについては、残念ながら今回は時間切れの感があった。隠亡掘の場はもとより、四谷鮫が橋のお岩入水伝承(『新宿と伝承』東京都新宿区教育委員会/一九六六)という近現代の言い伝えとも連続しつつ、累が淵怪談の世界につながる湿性風土の怪異の心象が浮き彫りになるはずであった。
Re^4: 怪談文芸研究会 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/07(Wed) 18:49:00 No.5495
> > > > 四谷怪談の二百年
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一方、堤の注目点は、なぜ「東海道」の「四谷」がタイトルになっているのか、という一点にある。江戸御府内の四谷に起きた実説(『四谷雑談集』など)を憚るあまりに、伊右衛門宅を「雑司ヶ谷の四ッ谷(家)」にしたことは間違いないだろう。それであれば、「雑司ヶ谷四ッ谷怪談」が外題になるべきではないか。一方、東海道の四谷(現神奈川県藤沢市)の方は大山詣でをこころざす人々の集まる場所であり、東海道と大山道との分岐点にあたる三叉路に位置していた。しかも江戸中期以降は、大山山麓の寺院による安産・子安信仰が積極的に布教され、江戸の浅草寺境内では曹洞宗龍泉寺(現神奈川県伊勢原市)により四度にわたる子育て如意輪観音の出開帳が執り行われていた。
東海道・四谷をめぐる通俗仏教側の状況証拠を横に置いて想像するならば、出産後に死んで「産女の姿」となるお岩の造型は、相模国大山の産育信仰に対する、じつに皮肉な陰画になるのではないか。タイトルと作品のズレに関する推論はこの後さらなる議論を生むことになるだろう。
怪談実話 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 12:59:00 No.5456
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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どこでも怪談——体験と類話について                  加門七海

とびきり怪談実話

最悪の喩え                              松村進吉

枕、茜、四列シート、しめ縄                      岩城裕明

不思議な古民家                            満茶乃
スポットライトは焼酎火 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 13:08:00 No.5457
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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『廃線だけ 昭和の棄景』『廃線だけ 平成・令和の棄景』        丸太祥三 聞き手=東 雅夫
お化け友の会ひろば 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 13:28:00 No.5458
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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文化勲章受章                             小松和彦

『幽民奇聞』『うたかたの娘』                     恒川光太郎×綿原 芹
 
『家守綺譚』                             近藤ようこ

『濱地健三郎の寄かる事件簿』                     有栖川有栖

『怪談ルポ 死の名所を歩く』                     花房観音

『書店怪談』                             岡崎隼人

『変わり者たちの秘密基地 国立民族学博物館』             樫永真佐夫

化け通『SILENT HILL f』                        藤川 Q

カイトユウマンがいく!                        レオ☆若葉
ブックレビュー 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 13:35:00 No.5459
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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『妖怪、八雲、ゲーム実況、着眼点が光る短編の競演』          橋本輝幸

『響き渡る叫び、血潮』                        中島晶也

『ホラーも妖怪もブームが定着した今、必要なのは原点回帰』       門賀未央子

『新たに広がる妖怪世界の発見と期待』                 式水下流
橋本輝幸 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/08(Thu) 16:28:00 No.5496
> 『妖怪、八雲、ゲーム実況、着眼点が光る短編の競演』          橋本輝幸
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三津田信三『妖怪談義』(光文社)

田辺青蛙編『シン怪談 小泉八雲トリビューン』(興陽館)

品田遊、青柳碧人、秋吉理香、安壇美緒、波木銅『#ホラーゲーム実況中』(朝日新聞出版)
中島晶也 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/08(Thu) 19:45:00 No.5497
> 『響き渡る叫び、血潮』                        中島晶也
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『どこかで叫びが ニュー・ブラックホラー作品集』(フィルムアート社) ジョーダン・ピール編 ハーン小路恭子監訳 今井亮一他訳

『秘儀』(新潮文庫)                         マリアーナ・エンリケス 宮﨑真紀訳 

『雪女・吸血鬼短編小説集 ラフカディオ・ハーンと怪奇譚』(平凡社)  下楠雅哉編訳
門賀未央子 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/08(Thu) 19:56:00 No.5498
> 『ホラーも妖怪もブームが定着した今、必要なのは原点回帰』       門賀未央子
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『珈琲怪談』(幻冬舎)                        恩田 陸

『奄美妖怪考 日本と琉球、そのはざまの怪異誌』(笠間書院)      町 健次郎

『現代ホラー小説を知るための100冊』(講談社)           朝宮運河
式水下流 投稿者:波浪規定 投稿日:2026/01/08(Thu) 20:04:00 No.5499
> 『新たに広がる妖怪世界の発見と期待』                 式水下流

『シルバーマウンテン 1』(小学館)                 藤田和日郎

『滋賀県妖怪事典』(サンライズ出版)                 峰守ひろかず

『筑前化物絵巻』(河出書房新社)                   近藤瑞木編
特集1 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 14:06:00 No.5460
> 特集1『この世界にはムーミンがいる』

寄稿/ムーミントロールとは何者なのか                 萩原まみ

ガイド/「ムーミン」シリーズ書籍の世界

寄稿/ムーミンのルーツは「本」にあり!                横川浩子

ガイド/「ムーミン」キャラクターの世界   

エッセイ/私が語りたい このムーミンキャラクター           あさのあつこ/藤野恵美/堀江敏幸/森 絵都/森下圭子

寄稿/千年前は毛むくじゃら⁉ 
二十世紀フィンランドで生まれた新しいトロルのこと 中丸禎子

寄稿/ムーミントロールの場所はどこか                 杉江松恋

ガイド/トーベとムーミン年譜

コラム/ムーミン谷のおばけとトーベが自称していたスポーケについて   萩原まみ

ルポ/ムーミンの物語の世界を訪れて〜ムーミンバレーパーク〜 medはおまりこ

ガイド/トーベとムーミンをよく知るためのブックガイド         杉江松恋
特集2 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 14:17:00 No.5461
> 特集2『澤村伊智十周年』

対談/「怖い」の正体を探し続ける                   京極夏彦×澤村伊智

ガイド/澤村伊智全作品ブックガイド 著者コメント付き         麻宮運河

寄稿/十周年へのエール                        宮部みゆき/東 雅夫/辻村深月

インタビュー/読者を揺さぶるホラーの現在               澤村伊智

ガイド/澤村伊智をつくった十作
特別寄稿 投稿者:波浪規定 投稿日:2025/12/28(Sun) 14:20:00 No.5462
> 『怪と幽vol.021』(角川書店)
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紀田順一郎氏を偲ぶ 昭和の”黒船”と「幻想怪奇」開花         荒俣 宏

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